クローズアップ 認定・専門薬剤師 2014/2015 ‐感染制御領域‐

2014年9月10日 (水)

薬業界情報


感染制御認定薬剤師、感染制御専門薬剤師

医療関連感染を防ぐために…

 病院などの医療機関には、免疫力が低下した人や乳幼児、高齢者など感染症にかかりやすい患者が多く集まっています。特に、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やインフルエンザウイルスなどによる医療関連感染が大きな課題になっています。これら感染症は、細菌やウイルスなど病原体の感染に起因する病気で、他の病気と異なり伝播・伝染するという特徴があります。医療機関ではつねに感染の危険性があり、医療関連感染は医療機関内の全スタッフにとって共通の課題なのです。そこで薬剤師は、医師、看護師、臨床検査技師などと協力してチームで感染対策に取り組んでいます。

 なかでも感染制御認定・専門薬剤師は、科学的根拠に基づいた感染制御(感染症の予防、治療など)に関する高度な知識・技術・実践能力を最大限に生かし、耐性菌を発生させにくい適切な抗菌薬の使い方や感染管理、感染経路の対策など、感染症薬物治療の適切かつ安全な実施に貢献しています。

 また、今後は病院内だけでなく、地域医療・介護への支援活動として、感染予防の啓発などにもその活躍が期待されています。

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感染制御領域の認定・専門薬剤師の仕事は…
感染対策チームで病院内巡視、病院内状況の把握と対策を協議
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 常に病院内での感染症発生状況を監視し、分析・評価を行っています。医師や看護師などと一緒に病院内を巡り、消毒薬・抗菌薬の適正使用の確認や、薬物の保管状態、医療廃棄物の取り扱い、医薬品の微生物汚染対策など、様々な感染予防策の実施状況を確認し、各現場での問題点を点検します。

 また、感染症の発生を早期発見し、感染対策チーム内で協議し、早急な対応策を実施します。

消毒薬および抗菌薬の適正使用の推進

 消毒薬は感染症の予防に重要ですが、多くの種類があり、使用頻度も異なるので、科学的な根拠に基づいた正しい使用方法を徹底しなければなりません。

 抗菌薬は適正に使用されないと十分な効果が現れません。また、抗菌薬の不適切な使用を続けると、抗菌薬が効果を示さない耐性菌が発生・増加する要因にもつながります。患者の血中濃度(血液の中の薬物濃度)や腎機能・肝機能などを考慮し、効果を最大限に、副作用を最小限にするために解析を行い、医師と協議し、使用する抗菌薬の種類、量や間隔などの処方計画を行います。

ガイドラインやマニュアルの作成
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 感染制御に関する専門的な知識を持った医師や看護師などと協力し、病院内での抗菌薬の使用状況、検出菌・耐性菌の状況などを分析、評価を行って抗菌薬の病院内適正使用ガイドラインを作成します。

 また、医薬品の微生物汚染対策や病院内での感染発生時の対応手順など、科学的根拠に基づく院内感染対策マニュアル作成においても中心的役割を果たしています。

情報収集と評価や指導・教育、啓発
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 治療や感染予防に活用するために、消毒薬・抗菌薬の臨床試験データなど適正使用に関する最新情報を収集しています。

 そして患者への抗菌薬の説明や、医療スタッフへの手指衛生の徹底、消毒薬・抗菌薬の適正使用に関する研修活動を行うなど、感染制御に関する教育や啓発活動も大きな役割のひとつです。


<提供>
一般社団法人 日本病院薬剤師会
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2-12-15 日本薬学会長井記念館8階
TEL:03-3406-0485 FAX:03-3797-5303
URL:http://www.jshp.or.jp/

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