日本薬学生連盟 学生のページ

2016年7月1日 (金)

薬学生新聞


診療報酬改定を受けて薬学生が思うこと

 2016年4月から新しい診療報酬が導入されています。今回の診療報酬改定は、薬の専門家としての薬剤師やこれから現場に出て行く薬学生が未来の医療の姿について考える機会となりました。これから薬剤師を取り巻く医療環境は大きく変わると考えられます。将来の地域包括ケアシステムを意識し、かかりつけ薬剤師など、地域において活躍する薬剤師、そして薬のプロフェッショナルとして、患者のためのチーム医療に貢献する病院薬剤師など注目すべき改定点が多くありました。

 薬学生の皆さんは、今回の改定をどう思いましたか。ぜひ、薬学生のうちから「薬剤師について」を深く考えて下さい。そして、現在だけでなく未来へと目を向けて下さい。

 日本薬学生連盟では2016年度診療報酬改定を経て、薬学教育委員会でイベントを開催しました。そのイベントの報告を踏まえて、これからの薬剤師、薬学生に対する考えを薬学教育委員長として述べたいと思います。

 5月15日に、Study Session Project という学生が学生に行う参加型の勉強会を行いました。テーマは、「診療報酬改定、かかりつけ薬剤師」です。薬局と病院からという視点で具体的な改定点について参加者と一緒に学んでいきました。薬局では、かかりつけ薬剤師の算定要件、地域包括ケアシステムに焦点を置き、病院では、加速化するチーム医療、病棟業務、ICUでの薬剤師などに焦点を置きました。

 学生同士の議論を通して感じたのが、薬学生が思い描く薬剤師が、対物ではなく、対人において職能を発揮しているこれからのあるべき薬剤師の姿だということです。対物業務も大切ですが、これは薬学生が思い描き、求めている仕事ではありません。これは今回の改定でも強く示されました。薬剤師、薬学生が今回の診療報酬改定からどのようなメッセージを受け取るかが大切であると思いました。

 6月4日の講演会では、人口構造の変化、国家の予算の現状、未来、国民医療費を含んだ医療の背景から薬剤師という仕事を考えました。低学年の薬学生にとっては衝撃的な内容もありました。将来を意識せずに薬学部で学んでいてはならないということが実感できたのではないでしょうか。

 私は、これからの薬剤師、薬学生は外に発信していかなくてはならないと考えます。受け身になるのではなく、私たちから、このような職能がある、患者さんにこのように貢献できるということを医療職、国民、そして社会に発信しなければなりません。薬学を学んだ、あるいは学んでいる薬学人が、力を合わせてエビデンスを作っていくことが大切なのです。

 しかし、エビデンスの構築や外への発信には、その前に多くの吸収が必要です。薬学生として、大学での机の上での学びに精を出すのは当然のこと、さらに自ら外に出ていくべきです。外に出て、自分から動き、多くのことを学んで、見て聞いて、考えてほしいです。そのようなことから、強いエビデンスに基づいた発信ができるのではないでしょうか。

 多くの薬学生が変わっていけば、薬学業界、薬剤師業界、さらには地域における医療が必ず変わっていきます。今の薬剤師の先生方、そして周りの薬学生の仲間と一緒に未来を見据えて、「現在」を超えていきましょう。現状に一喜一憂するのではなく、私たちから進んでいくのです。

日本薬学生連盟2016年度薬学教育委員長
慶應義塾大学4年 田代 渉

薬学生への意識調査Part.1‐将来へのイメージ

 「これからの薬剤師」と言われて、イメージが浮かびますか?

 日本薬学生連盟では今年の5月に薬学生に対する意識調査を行いました。その結果から、薬学生目線で意見を発信していきたいと思います。今回は第1弾。

 「これからの薬剤師の仕事像についてイメージできていますか」

これからの薬剤師の仕事像についてイメージできていますか

これからの薬剤師の仕事像についてイメージできていますか

 アンケートをとった薬学生の70%が将来の夢に「薬剤師」と挙げた一方で、この質問に「はい」と答えた薬学生は約半数でした。2人に1人、一概にこの数字が少ないとは言えませんが、「考えたことがない」という人が「いいえ」の中にはたくさんいるように感じます。

 薬剤師の活動領域が広がり、より個人のスキルに焦点を当てた評価に移行する中で、薬剤師一人ひとりの能力の向上が必要であると思います。そのためには、まず将来現場に出て行く薬学生が、薬剤師の現状、そして将来について考えてみるべきではないでしょうか。

日本薬学生連盟2016年度副会長
中川 翼

イベントに参加した学生たちの声

【Study Session Project】その薬剤師いくらなの?-診療報酬改定ビフォーアフター

 本番でプレゼンテーションを行うということで、今回のテーマ「診療報酬改定、かかりつけ薬剤師」を自分で理解して、それを人に向けて発信するというのはとても難しかったです。また、自分が学んだことを他人に伝えるという点においても、ただ知識を自分の中に落とし込むだけではなく、それを分かるように伝えなければならないところにStudy Session Project運営における難しさを感じました。

 そして、先輩や同期のプレゼンテーションを見て学ぶところも多く、次に生かしていきたいと思うと共に、参加者の方々から取り入れたい考えを多く学べる機会でした。

薬学教育委員会スタッフ会員
明治薬科大学3年 細井 佳歩

Study Session Projectに参加した学生たち 1 Study Session Projectに参加した学生たち 2
【講演会】医療の背景と今後の薬剤師のあり方

 学生だけの勉強会とは異なり、現場の先生方からお話をうかがえるのはとても貴重でした。現場を知っているからこその考え、知識をお持ちで、スタッフ会員、そして参加した薬学生にとって、とても刺激的で新鮮だったと思います。今の医療はこれからの医療の形ではないということは、低学年の薬学生にとって驚きが大きかったのではないかと思います。医療の背景にある経済についても、考えていこうと改めて思いました。

 この講演会で多くの参加者が何かを考え、これからの医療、薬剤師を考えながら、今日からの大学生活を送っていただけることを願います。

薬学教育委員会
明治薬科大学3年 西原 優姫

講演会に参加した学生たち 1 講演会に参加した学生たち 2


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