【薬剤師になる前に~今だからOTC医薬品を学んでおきましょう!】第11回 薬局の食品 “サプリメント、健康食品、トクホ、機能性表示食品”

2016年11月1日 (火)

薬学生新聞


(株)スギ薬局、日本薬剤師会一般用医薬品等委員会委員
藤田 知子

藤田知子氏

 健康食品・サプリメント市場は、OTC医薬品と異なり、あらゆる業態の店舗で販売が可能なうえ、通信販売も含めて市場がどんどん拡大しています。今や消費者が身近に購入できる“健康”アイテムになっています。今回は薬局で扱う健康増進のための「食品」について解説したいと思います。

食品も適切な情報の提供を

 人は、生きていく上で、必要な栄養、エネルギー源を食べ物から得ています。時代が進んで、特定の栄養素、成分だけを効率よくたくさん摂取できるように、もともとの食べ物の形を変化させて、錠剤やカプセルなど医薬品と同じような形状のものが作られるようになりました。そして、健康食品ブームが到来し、多種多様な健康食品が販売されるようになりました。しかし、健康増進を標榜するだけでなく病気治癒や改善、機能回復といった、さも医薬品的な効能を匂わせる商品が出回り、十分な知識がないままに飲用することで健康被害などが起こるなど、健康食品のあり方が問題視されるようになりました。

 そこで2001年、保健機能食品制度が誕生し、医薬品とそれ以外の食品との位置づけ、それぞれの定義が明確化され、食品にも適切な情報を消費者に提供することが求められるようになりました。今では当たり前ですが、医療用医薬品の投薬の際には、日ごろ飲んでいる健康食品はないか、どういう目的で飲用しているかなどを聞き取り、相互作用の確認を行い、さらに薬物治療の妨げにならないよう安全に健康食品を飲用いただくように服薬指導するようになったのです。

 保健機能食品制度について説明しますと、まず「保健機能食品」があり、その中に、国が有効性や安全性を個別に審査し許可した「特定保健用食品」、国が定める特定の栄養成分の規格基準に適合した「栄養機能食品」があります。昨年、新しく「機能性表示食品」が加わりました(図参照)。それぞれの分類にどんな商品があるか、商品名を具体的に挙げられないので、個々にご確認ください。ドラッグストアの店頭に並んでいる“おやつ”(難消化性デキストリン入りチョコ)にもその商品があります。

図

※画像クリックで拡大表示

トクホと機能性表示食品の違い

 新しく誕生した機能性表示食品については特定保健用食品との違いで説明します。どちらも科学的根拠に基づいた機能性を表示できるのですが、前述の通り、特定保健用食品は国が個別に審査して発売を許可したものであるのに対し、機能性表示食品は個別に許可を受けたものでなく、届け出を出しているだけで、事業者の責任において機能性を表示できるものです。保健機能食品以外の食品は、「いわゆる健康食品」「一般食品」は機能性をうたうことはできません。

 しかし、最近では、もともと健康に良いとされている一般食品(例えば、ヨーグルト、野菜の一部など)に科学的根拠に基づいた機能性を証明し、付加価値をつけて機能性表示食品となったものもあります。

 消費者の関心をひくものとして、最近は「若々しくなりたい」「自分の足で動きたい」「物忘れを改善したい」など老化に対する予防型への注目度がアップしています。そのため、今は基本的な体の機能を向上させる成分の研究が盛んになり、特に人が食したことがないような食物成分(イチョウ葉エキス等)も次々に商品化されています。機能性表示食品には、このような体の機能を上げる成分の開発によって誕生したものが多くあります。「脂肪の吸収を抑える、糖の吸収を抑える、食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇を抑える」といった特定保健用食品と同じような機能性を表示しているものもあれば、「肌の保湿力を高める」「肌の乾燥を緩和する」「手元ピント調節機能を助ける」といった新しい機能性を持つ商品も誕生しています。

 その意味では、今後は、薬局で取り扱う食品について、薬剤師がどのように関わっていくのかも大事なポイントになります。特に消費者の目につきやすい包装に記載されている内容はそれぞれの分類ごとに記載すべきこと(食品衛生法)、記載が不適切なこと(景品表示法)があります。しかし、医薬品のように添付文書があるわけではなく、包装(箱や袋)に記載できることはスペース的にも限られ、消費者から見て、十分な情報提供だとは言い難いと思います。

 インターネットなどの通信販売では、足りない情報を広告として説明を加えていますが、数が多いほど自分に合ったものを適切に選ぶのが難しく、売上No.1やリピート率が高いものに目を向けがちです。それに対し、実際に商品を厳選して仕入れ、販売に際し、購買者の状況にあったものを選ぶことができる薬局、薬剤師ならではの役割があると思います。今年から届け出がはじまった「健康サポート薬局」の条件の中でも、未病に対して「食品」の情報提供も重要な要素となっており、これからの時代には大きな意味を持つようになっていきます。

 今だからこそ「食品」についてもしっかり学び薬局でもその知識を生かした情報提供につなげていただきたいと思います。

 健康食品のホームページ(厚生労働省)から

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/



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