【考えよう!キャリアデザイン】薬剤師はどこで働いているのか

2017年3月1日 (水)

薬学生新聞

キャリア・ポジション社長
西鶴 智香

西鶴智香氏

 薬学生の皆さんは、卒後どういった分野で働こうと思っていますか?在籍している大学の先輩方はどういった分野の職種に就いたのでしょうか。先輩がそうだからといってその進路に、ということではありませんが、参考までに一度、調べてみるといいでしょう。

 それでは全国に薬剤師はどのくらいいて、どこで働いているのでしょうか。厚生労働省の調査によると、2014年末時点で薬剤師は全国におよそ28万8000人います。男女比は4対6で女性が多め。就業場所のうち「薬局」が一番多く55.9%が従事しています。次が「病院・診療所」で19%。「医薬品関係企業の研究・開発・営業」は10.7%、「医薬品販売業」は4.5%、「衛生行政機関」は2.3%、「大学」は1.8%、無職を含めた「その他」は5%強という状況です。

 余談ですが、人口あたりで比較すると実は、日本の薬剤師数は世界一多いのです。こんなに「薬剤師が足りない」と言われている状況なのに、世界一多いとは驚かれることでしょう。それでもなぜ日本では足りないのか。それは日本と海外で薬剤師の仕事内容に大きな違いがあるからです。

 日本では法律によって薬剤師が「調剤業務」を行うことになっていますが、諸外国では薬剤師ではなく「調剤技術者」という別の資格者が担当することが少なくありません。例えば薬局では薬剤師は調剤以外の処方鑑査や服薬指導を担当するため、1薬局あたりの薬剤師数は日本よりも少なくて済みます。日本でも調剤技術者導入の議論はありますが、まだ導入の予定はありません。

 話は戻って先輩方の現状はこうですが、皆さんはどこに進みますか?友達や先生がどの業種を勧めるかはあくまでも参考程度に。自分が何に興味を持てるのかは、実際に働く薬剤師を見聞きしないと分かりません。話を聞いて、自分もいつかそうなりたいと思えるかどうか、です。動きながら考えましょう。



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