新しい「薬事法及び薬剤師法」は14年4月以降に施行される予定ですが、日薬ではネット販売に関して、次のような対応を考えています。
[1]事法違反の疑いのあるインターネット販売サイトの対策として、日薬ホームページに情報提供を呼びかけるコーナーを設け、厚生労働省の当該ページへのリンクを掲載する。
[2]インターネット販売のルールについて、作業グループの報告書を踏まえたガイドラインの作成。
[3]インターネット販売を行う薬局の認定については、第三者機関による実施の可能性を検討する。
[4]インターネット販売により発生した副作用に関する情報収集方策については、副作用報告(PMDA)の徹底を呼びかけるほか、別段の収集方法や調査等の可能性も検討する。
[5]そのほか、安全確保の観点から、販売経路に関わらず、薬局において、医薬品に関するあらゆる相談を受けるという基本姿勢で今後も対応する。
一方、6月14日に公表された日本再興戦略では、一般薬のインターネット販売だけではなく、国民の「健康寿命」の延伸というテーマの中で、薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、「一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等、セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する」と明記されました。
薬局を生活者の立場から考えると、保険調剤のほかに医療機関を受診するまでもない軽いけがや病気を治すために利用したり、健康管理全般について気軽に相談ができ、助言や指導をしてくれるところです。薬剤師は、体調のすぐれない方が薬局を訪れた際に、症状の訴えなどから、医療機関への受診勧奨、一般薬による対応、生活指導のいずれかに振り分け、適切な対応(薬剤師によるトリアージ)を提案しています。
日薬の調査によれば、一般薬の購入や相談を目的に来局された方のうち、指名された一般薬での対応が不適切と薬剤師が判断したケースでは、半数近く(46・1%)で薬を販売せず、その大半でかかりつけ医などへの受診勧奨が行われています。また、販売したケースでも4割(41・6%)が薬を変更していました。さらに、在宅での薬剤師業務も欠かせません。
日薬では、全国の薬局・薬剤師が、地域医療の中でチーム医療の一員として活躍できるよう、セルフメディケーションから在宅医療まで対応できるための研修を行っていきたいと考えています。
14年3月には、新たな薬局のグランドデザインを公表する予定です。
薬剤師の役割が国民の目から見えるような1年にしたいと思っています。