皮下注製剤でさらなる拡大へ
中外製薬の抗IL‐6受容体抗体「アクテムラ」が、2013年にグローバル売上高が10億スイスフランを超えてブロックバスター入りを達成した。2005年に国産初の抗体医薬品として点滴静注製剤がキャッスルマン病の適応で承認を取得。08年に関節リウマチの効能を追加してから順調に伸びてきた。皮下注製剤が昨年に日本と米国で発売され、今年6月には日本で長期処方が解禁となり、さらに欧州で今年第1四半期の承認が見込まれることも追い風に今後も成長が続きそうだ。
小坂達朗社長は決算説明会で14年の方針を示した。製品売上の4割を占める癌領域については、抗HER2抗体「ハーセプチン」「パージェタ」と、ハーセプチンに化学療法剤を結合させた抗体薬物複合体「カドサイラ」の3製品による“HER2フランチャイズ”の価値最大化に注力する。特にカドサイラは、薬価における革新性の評価をめぐって当局と合意に至らず昨年11月の薬価収載を見送った経緯を踏まえ、「1日も早い発売を目指す」と語った。