【東北大グループ】癌特異的抗体作製法を開発‐副作用のない医薬品創製に期待

2014年8月12日 (火)

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 東北大学大学院医学系研究科の加藤幸成教授(地域イノベーション分野)らの研究グループは、癌細胞に高発現するムチン型糖蛋白質ポドプラニンに対する癌特異的抗体(CasMab:キャスマブ)を作製することに成功した。癌細胞に高発現する膜蛋白質は正常細胞でも高発現していることが多く、癌細胞だけを攻撃する抗体医薬品を作製することが困難な原因となっていた。今回の成果で、癌細胞と正常細胞の両方に発現している膜蛋白質に対しても、癌細胞だけに反応し、副作用のない抗体医薬品の開発の可能性が出てきた。

 ムチン型糖蛋白質のポドプラニンは、肺癌、食道癌、悪性中皮腫、悪性脳腫瘍、卵巣癌などの複数の難治性癌に高発現しているため、抗体医薬の標的となる。しかし、ポドプラニンはリンパ管内皮細胞、肺胞上皮細胞、皮膚基底細胞、腎上皮細胞などにも高発現しているため、これまでは正常細胞を攻撃することによる副作用が懸念され、ポドプラニンを標的とした抗体医薬品の開発は断念されていた。その結果、ポドプラニンのような癌細胞高発現蛋白質は数多くあるにもかかわらず、候補分子から外れる状態が続いていた。



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