国立がん研究センター中央病院副院長の大江裕一郎氏は21日に講演し、7月に承認を取得した国内2番手のALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)治療薬「アレクチニブ」(国内製品名:アレセンサ)について、「第II相試験で示された奏効率93・5%という結果は、同じALK阻害剤のクリゾチニブの6割、EGFR阻害剤の7割に比べても高い」と有効性を評価した。ただ、クリゾチニブと直接比較した第III相試験を実施中で、どちらを先行して投与するかは「結果を見てみないと分からない」と指摘。当面はクリゾチニブ耐性患者への投与が優先されるとの考えを示した。
アレクチニブは、中外製薬が鎌倉研究所で創製し、7月に欧米に先駆け承認を取得したALK阻害剤。ALK融合遺伝子陽性のNSCLCを対象とした国内第II相試験では、奏効率93・5%、完全奏効率約2割という高い抗腫瘍効果が得られた。