日本病院薬剤師会の北田光一会長は9日、静岡市内で講演し、病棟以外の手術室、ICU(集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)等に業務を展開することの必要性を強調。「なかなか十分な人員配置は難しいと思うが、ハイリスクな場所にきちんと専従、専任の形で対応できる人員を確保し、成果を出していく必要がある」との考えを示した。その上で、「院内のあらゆる場所に薬がある。医療安全のためにも責任を持って関わっていかなければならない」と述べた。
日病薬は、2014年度事業計画の重点事項に、「手術室、ICU、NICU、PICU等における積極的な業務展開」を位置づけており、昨年度の「薬剤師の配置を目指す」から、さらに踏み込んだ形となった。この日、示された14年度「病院薬剤部門の現状調査」によると、手術室関連業務に薬剤師が関与している割合は30.4%だったが、配置状況を見ると、1日平均5割未満しか従事していない「兼務」がほとんどで、少ない人数の中で何とか手術室関連の業務を展開している実態がうかがえた。