国境なき医師団(MSF)は、エボラ出血熱治療薬として、富士フイルムの抗ウイルス剤「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)を用いた臨床試験を来月から西アフリカのギニアで受け入れると発表した。フランス国立保健医学研究所(INSERM)が担当し、世界保健機関(WHO)と流行国の行政当局も参加。国際連携により、エボラ出血熱の治療薬として初の臨床試験がスタートする。
西アフリカで大流行するエボラ出血熱は、有効な治療法がないまま、既に5000人の死者が出ている。こうした中、MSFは来月から、アビガンの臨床試験をギニアで運営中のエボラ治療センターで受け入れることを決めた。アビガンは、WHOのエボラ出血熱治療薬候補リストに挙がっているが、今回は、安全性・有効性、供給力、患者への投与の簡便さの観点から選ばれた。