前回より約9ポイント低下‐留年者などで受験者数は増加
厚生労働省が3月29日に発表した第98回薬剤師国家試験の結果によると、受験者数1万1288人のうち、合格者は8929人で合格率は79.10%だった。合格率は、初めて6年制薬剤師を輩出した前回の88.31%から9ポイントほど低下したものの、直近4年間(空白の2年間を除く)の旧4年制国試の合格率が70%台半ばで推移しているため、厚労省は「やや高い水準」と分析。その上で、「6年間の努力の結果。引き続き、がんばってもらいたい」としている(表参照)
6年制卒の83.60%が合格
今回は、1万2732人が出願し、1万1288人が受験した。留年者などが受験したため、前回の受験者数9785人より、1500人ほど増えている。
受験者のうち、6年制卒は1万0557人、旧4年制卒を含む「その他」は731人だった。「6年制卒」「その他」の区分で試験結果を見ると、6年制卒の合格者は8826人で、合格率は83.60%(前回95.33%)。その他は受験者数731人に対し103人で、合格率は14.09%(38.19%)だった。
6年制卒の試験結果を男女別に見ると、男性は4349人が受験して3631人が合格、女性は6208人が受験して5195人が合格した。合格率は男性83.49%、女性83.68%でほぼ変わらない。
その他では、男性464人が受験して67人が合格、女性267人が受験して36人が合格した。合格率は男性14.44%、女性13.48%となっている。
大学の設置主体別の合格者数は、国立が475人(合格率81.20%)で、うち6年制卒が463人(91.14%)、その他が12人(15.58%)だった。公立は211人(84.06%)で、うち6年制卒210人(90.52%)、その他が1人(5.26%)。私立は8243人(78.89%)で、6年制卒8153人(83.05%)、その他90人(14.24%)だった。
都道府県別の合格者数で多かったのは、東京860人、大阪659人、神奈川621人、埼玉593人、千葉547人、兵庫544人、愛知458人、福岡310人など。少なかったのは、島根32人、福井35人など。
最も合格率が高かったのは、名城大学の97.10%。合格率が9割を超えたのは12校だった。
また、必須問題の問52で不適切な記載があり、正解となる選択肢がなかったため、全員を正解として採点した。