バイオジェン・アイデック日本法人は、遺伝子治療薬の開発を加速する。米バイオ企業のアイシス・ファーマシューティカルズ社から導入したアンチセンス薬が脊髄性筋萎縮症を対象に第III相試験を実施し、来年の国内承認申請を目指す。さらにAAVベクター療法の開発にも乗り出し、幅広い遺伝子疾患に対する治療法を提供していく考え。
同社は、バイオ製剤に強い製薬企業で、国内では多発性硬化症と血友病の二つの領域で事業を展開している。昨年から今年にかけて両領域で四つの製剤を上市し、2016年には現在の4倍の事業規模に拡大する目標を打ち出している。開発パイプラインの日米欧同時承認を目指しており、特に神経変性疾患領域では、アルツハイマー病を適応とした抗アミロイドβ抗体「アデュカヌマブ」が日本人患者を対象とした第I相試験で、プラセボ群に比べ有意な認知機能改善を示した。来年には国際共同第III相試験に参加する方向だ。