薬剤師国家試験(以下、国試)の合格には、「計算問題を解く能力」が必要です。第100回国試において、物理・薬剤・実務の3科目で20題の計算問題が出題されています。特に、物理では計算問題の占める割合が高く、物理の出題20題中7題もの出題がありました。「計算が苦手」と感じている方がこの記事を一読し、計算問題への抵抗をなくす一助になれば幸いです。計算問題に抵抗のある学生の課題点は、[1]公式が定着していない[2]問題ごとに公式を使い分けられない(演習量不足)[3]設問文から公式内への数値代入ができない――という3要素に分けられると考えます。
したがって、自身が[1]~[3]のどの部分でつまずいているかを認識し、[1]~[3]ごとに適した解決法を実践することで、計算問題を克服できます。以下に具体的な思考パターンをご紹介致します。
物理
■計算問題の頻出範囲
エネルギー、反応速度、酸と塩基、容量分析法、分光分析法
■出題例と解法
例題
[1]酸塩基関連の重要公式
[2]および[3](思考パターン)
薬剤
■計算問題の頻出範囲
薬動学、投与計画、物質の溶解、分散系、濃度および等張化計算
■出題例と解法
例題
[1]全身クリアランスを求める重要公式
[2]および[3](思考パターン)
実務
■計算問題の頻出範囲
散剤、液剤の計量調剤、電解質濃度、浸透圧、カロリー計算、NPC/N
■出題例と解法
例題
[1]浸透圧比を求めるための考え方および重要公式
[2]および[3](思考パターン)
出題例と思考パターンより、[1]~[3]ごとに適した解決法を確認できましたか?国試の計算問題は難化傾向にあります。今回の思考を基に演習を積み重ね、つまずきの認識と解決を繰り返しながら、計算問題を克服しましょう。そして、医療現場で活用できる思考回路の一つとして身に付けましょう。
(学校法人医学アカデミー薬学ゼミナール)