【ミキ薬局埼玉行田店】行政、三師会連携で糖尿病予防

2015年11月1日 (日)

薬学生新聞


ミキ薬局埼玉行田店

 埼玉県行田市では今年4月より、同市内にある薬局で糖尿病の簡易検査を開始した。同市および同市の医師会、歯科医師会、薬剤師会が連携し、薬剤師会会員の11薬局に“検体測定室”を設置している。この11薬局の1つに「ミキ薬局埼玉行田店」があるが、同薬局で店長・管理薬剤師を務める加部愛子氏は、これまでの事業の成果に手応えを示すと共に、同事業をきっかけの一つにし、今後、薬局が地域住民の健康拠点となるよう努めていく考えを強調する。

市内11薬局に検体測定室を設置

 今回の行田市の事業で11薬局に設置された検体測定室では、HbA1cが測定できる。HbA1cは、過去1~2カ月間の血糖値の平均を反映するもので、医療機関での糖尿病診断に役立つ。糖尿病の初期は症状がほとんどないため、血液をチェックしなければ分からず、これまでは病院など医療機関でしか受けられなかった血液の測定を、身近な薬局でチェックできることで、地域住民の健康管理に寄与することが、今回の事業の目的だ。

 同事業開始に当たって、ミキ薬局埼玉行田店をはじめ11薬局は、行田市からの助成を受けている。測定機器の費用の一部(30万円)と共に、行田市民の場合は測定費用を市が半額補助し、1回500円で測定できる。加部氏は、「検体測定室に興味を持ち、取り組んでみたいと思う薬局にとっては非常にありがたいと思う。また、500円というワンコインで測定できる(行田市民の場合)という点は地域住民の方々にとっても魅力的なのではないか」とする。

加部氏

加部氏

 事業がスタートして約半年が経過したが、ミキ薬局埼玉行田店ではこれまでに約40人が糖尿病の簡易検査を受けたという。同薬局の来局患者は60~80代が中心だったが、加部氏は「糖尿病の簡易検査については、40代や50代の方も多い」と説明。処方箋を持たず、糖尿病の簡易検査が目的で来局するというケースも増えてきており、「事業を始めた効果が現れている」と語る。

 この40人のうち、HbA1c値が6.5以上(糖尿病が強く疑われ、受診勧奨すると共に、薬局や医療機関が生活習慣改善に向けた積極的な支援を実施する値)の人は約3割だった。こうした人を含め、数値が一定数値を超えていた人には同薬局でも受診勧奨を行った。それと共に、ミキ薬局栄養士による栄養指導にもつなげており、「当薬局では月に2回、栄養士が来ているので、3日分の食事内容を記してきていただき、それに基づいて栄養士が無料でアドバイスを行っている」(加部氏)とする。

健康拠点となるきっかけに

店内に設置されている検体測定室

店内に設置されている検体測定室

 また、実際にこの糖尿病の簡易検査を受けると、約3分という短時間で結果が示される。実際に測定した人からは、「手軽に受けられる」「自分の健康管理に役立てられる」など好評を得ている。

 このような成果を踏まえ加部氏は、「今後の薬局は、ただ薬を調剤して渡すだけではなく、患者さんの健康に貢献したり、未病の状態であっても気軽に訪れてもらい生活支援のアドバイスを行ったりなど、地域住民の健康拠点としての役割を果たすことが期待されている」と指摘。「この事業が、薬局が地域住民の健康拠点になるきっかけの一つにつながっていけば良いと思っている」と話す。

 検体測定室を備え糖尿病の簡易検査等を行う薬局の薬剤師には、受診勧奨や生活習慣改善に向けた積極的な支援の実施といった役割が求められる。加部氏は、「当薬局の場合、地域に密着した店舗であり、患者さんとのつながりが非常に強い。患者さんの体の状態をいつも気にしながら前回よりも良くなっているといったことを顔色を見て見極められるよう努めている」とし、「そうした薬局の薬剤師は、より患者さんに寄り添って話を聞いたりアドバイスを行うなど、身近に感じてもらえるような薬剤師になることが必要ではないかと思う」と語る。



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