製薬協が会員企業調査
多数の被験者の血中薬物濃度を統計的に解析し、対象患者の最適な用法・用量を検討する母集団薬物動態(PPK)・薬力学解析(PPK/PD)の活用が進んできた。日本製薬工業協会が会員企業24社を対象とした活用実態調査を行ったところ、PPK解析の利用がほぼ定着していたことが分かった。実際、複数の試験での統合解析を行い、用法・用量の設定や添付文書への反映を実現していた会社もあった。製薬協の医薬品評価委員会臨床評価部会の安田早苗氏(エーザイ)が9~11日に都内で開催された日本臨床薬理学会学術総会で発表した。
薬物動態(PK)、薬力学(PK/PD)情報を収集するに当たっては、標準的な薬物動態試験を実施してきたが、対象患者が限られており、幅広い患者での情報を得るには単一の試験では制約が多かった。様々な臨床試験データを統合した母集団解析では、コンピュータ上で適切な仮説を立て、特定患者集団におけるPKと有効性・安全性の関係を評価して最適な用法用量を予測したり、成功確率の高い臨床試験の立案に役立てるモデリング&シミュレーション(M&S)手法が活用されている。