武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は、10日に都内で開催した決算会見で、転換期と位置づけていた2015年度業績について、「全ての項目で(計画に対し)過達となった。将来ありたい姿に向けて転換期を達成できた」と高く評価した。特に大型化を期待する潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」の成果を強調し、「今年度には武田にとって最大の製品になる」と述べ、目標とする18年度売上20億ドルも「達成できる」とした。16年度は売上収益一桁台半ば、コアアーニング、コアEPSで10%以上の成長を目標に掲げる。
同社は、重点領域に位置づける消化器系疾患が23.6%増の2977億円、オンコロジーが1%増の3364億円、中枢神経系疾患が37.3%増の569億円と揃って増収を達成した。特にリーディングカンパニーの座を狙う消化器系疾患領域では、エンティビオが売上862億円と成長を果たし、米国での新規処方箋、他剤からの切り替えで20%以上のシェアを獲得。バイオ医薬品として第一選択薬としての使用を推奨されている。ウェバー氏も社長就任後の成果として、「エンティビオが大成功したこと」を挙げた。