基礎的医薬品は一定の評価
日本製薬団体連合会の保険薬価研究委員会の加茂谷佳明委員長は10日、都内で会見し、2016年度薬価制度改革を振り返った。市場拡大再算定の対象品目が過去最多となったことや、年間販売額が大きい品目の薬価を引き下げる「特例拡大再算定」の導入などにより、「個々の企業に与える影響が甚大だった」との認識を示した。
中でも、特例拡大再算定については、「導入を阻止できなかったことは、中央社会保険医療協議会の専門委員の立場、薬価研の委員長の立場としても忸怩たる思いがある。責任の重さを痛感している」と語った。
今回の薬価制度改革で新たに盛り込まれた基礎的医薬品の薬価を維持する仕組みについては、「範囲が限定されている」としつつも、政府の「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)の中に、基礎的医薬品の安定供給という一文が盛り込まれたことによって、「風穴が開いた」と評価した。