武田薬品は、グローバル大手CROの米PRAヘルスサイエンシズを臨床開発における主要な戦略的パートナーに選定すると発表した。これまでも複数のCROと提携していたが、PRAとはより緊密なパートナーシップ契約を結んだ模様。従来に比べ、臨床試験に関する業務委託の範囲を広げるほか、欧米で臨床開発を担う約300人の従業員がPRAに移籍する選択肢も盛り込んだ。
医薬品開発をめぐっては、世界同時開発の急増を背景に、製薬企業からCROへの外部委託が加速しており、近年では複数の開発パイプラインで長期にわたって包括的な委受託を行うパートナーシップが増加している。PRAは北米から欧州、アジア、ラテンアメリカ、南アフリカなど全世界に約70のオフィスと、1万2000人の従業員を有するグローバルCROの一角。2015年度は売上16億1388万ドル(約1661億円)と、前年比で二桁の伸びを示すなど成長を遂げている。循環器や癌、中枢神経系、ワクチンなどの疾患領域にも強く、日本ではCROのエイツーヘルスケアとの合弁で「エイツーPRA」を展開している。