武田薬品は、大型化を見込む再発・難治性の多発性骨髄腫治療薬として欧州承認申請中の新規経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ」(一般名:イキサゾミブ)について、欧州医薬品庁の欧州医薬品評価委員会(CHMP)から前治療歴のある多発性骨髄腫に対して条件つき承認を推奨する肯定的見解が示されたと発表した。5月にはCHMPからニンラーロの承認に否定的な見解が示されていたが、それを不服とした武田の要請により再審査を行った結果、見解を覆した。世界で約30億ドル以上の売上を計画する薬剤として大きな期待をかける中、欧州承認取得に大きく前進した格好だ。
CHMPによる承認推奨の見解は、ニンラーロとレナリドミド、デキサメタゾンの3剤併用治療と、レナリドミドとデキサメタゾンの2剤併用療法を比較した第III相試験「TOURMALINE-MM1」の解析データに基づくもの。ニンラーロ併用投与群が対照群に対し、無増悪生存期間を6カ月延長する結果が示されていた。既に米国では昨年11月に優先審査で承認を取得している。