厚労省が注意喚起
厚生労働省は17日、ギリアド・サイエンシズが製造販売するC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」(一般名:レジパスビル・ソホスブビル)について、奈良県内の薬局チェーンで形状や色が正規品と異なる偽造品が調剤されていたと発表した。薬局の本社や他の支店を含め、五つの偽造品を確認しているが、流通経路は調査中。現時点では、健康被害は報告されていないという。厚労省は同日、医薬品を譲り受ける時には本来の容器包装に入っているかどうかや流通経路の確認など、偽造品の混入を避けるため注意を払うよう日本薬剤師会、日本保険薬局協会などの関係団体、都道府県に通知した。また、ギリアド社は患者向けに偽造品の確認を行うよう文書で注意喚起を促した。今後、厚労省と連携して偽造品の成分分析や流通経路の調査などを進め、刑事告訴の検討も視野に入れていく考えだ。
「ハーボニー」は通常1回につき1ボトルが処方されるが、偽造品の流通は患者が製品のボトルを開けた時に薬の形状に違和感を覚え、調剤した奈良県内の薬局に問い合わせ、ギリアド社に報告されたことで発覚した。これを踏まえ同社は、厚労省や調剤した薬局の本社がある奈良県と協力し、偽造品が使われているかどうかや流通した経緯などを中心に調査を実施した。その結果、患者に手渡した製品を含め、調剤した薬局から2点、本社から2点、他の支店から1点と、3カ所から計5点の「ハーボニー」の偽造品が確認された。