第一三共は、1月31日に取締役会を開き、4月1日付で代表取締役副社長執行役員の眞鍋淳(まなべ・すなお)氏を社長兼COOに昇格させ、代表取締役社長兼CEOの中山讓治氏が代表権のある会長兼CEOに就任する人事を決定した。会長と社長のツートップ体制の布陣を敷いて経営体制を強化し、昨年スタートした5カ年中期経営計画や、2025年ビジョンの達成に挑む。眞鍋氏は同日に都内で開催した記者会見で、「現場の声に耳を傾け、現場の意見を聞き取れる会社にしていきたい。癌に強みを持つ先進的なグローバル企業に向け、全社員と全組織がコミットして目標を実現する」と抱負を述べた。
中山氏は10年6月から社長として在任した6年半を振り返り、「アルツハイマー病治療薬のメマリーや、骨粗鬆症治療薬のリクシアナなど有望な新薬を国内で上市できたこと、さらにインドのランバクシーをサンファーマに売却し、新薬に回帰し癌を強みとするグローバル創薬企業になることを示した」と述べ、新薬・ジェネリック医薬品の複眼経営から新薬に回帰した構造改革に手応えを示した。売上全体のおよそ3分の1を占める降圧剤「オルメサルタン」の特許切れに直面する中、「抗凝固薬のエドキサバンが日本と欧州で順調に進捗し、パテントクリフの克服に一定のメドをつけられた」とし、事業の方向性が明確になったと強調した。