米メルクは、軽度・中等度のアルツハイマー型認知症(AD)患者を対象としたBACE阻害剤「ベルベセスタット」の第II/III相試験「EPOCH」を中止すると発表した。外部データモニタリング委員会が同試験の中間解析でリスクベネフィット評価を行った結果、「有効な臨床効果が認められる可能性はない」と判断し、中止を同社に勧告した。一方、ADによる軽度認知障害(MCI)を対象とした第III相試験「APECS」については継続するよう指示し、これを受け、メルクではAD発症初期をターゲットとした開発にシフトする方針だ。
EPOCH試験は、標準治療中の軽度・中等度のAD患者を対象に、ベルベセスタットの二つの用量とプラセボを1日1回経口投与したときの有効性と安全性を比較し、主要評価項目として「治療開始後78週時点の『ADAS-Cog』『ADCS-ADL』スコアにおけるベースラインからの変化量」を検討した二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。今後、試験の詳細を解析し、学会で発表する予定。