バイエル薬品の営業社員3人が2012年と13年に、少なくとも約180人分のカルテを患者に無断で閲覧し、データを収集していたことが明らかになった。同社は、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の「イグザレルト」の発売前後に、同じ領域の他社薬剤の服薬状況を把握するために診療所医師の協力を得て患者を対象に調査を実施したが、その際に同社の社員が無断でカルテを閲覧した。同社は「社内審査体制をより徹底し、社員への教育を一層強化する」としている。
この調査は、1軒の診療所を受診する血栓症領域製剤の服薬患者を対象に、その剤形や服薬回数など「服薬に関する嗜好」の聞き取りを行ったもの。少なくとも12年に148人、13年に30人の患者を対象に実施した。診療所の医師が聞き取ることになっていたが、その過程で同社の営業社員が不適切に関与し、患者に無断でカルテを閲覧し、データを収集していた。