新潟薬科大「最後まで可能性探る」
長野県薬剤師会(日野寛明会長)が4月22日の理事会で、新潟薬科大学が2019年4月開設を目指して進めていた「長野薬学部」設置計画に「現時点では賛成しない」ことを決定した。長野県では、設置に必要な財政支援の条件として、県内医療団体の賛同を得ることを求めているため、長野県初の薬学部設置計画は不透明な状況になったが、同大学副学長で長野薬学部設置準備室長を務める若林広行氏は、「理解が得られないのは残念」としつつも、近隣県の高校生の高い進学ニーズや、昨年5月の長野県高等教育振興基本方針に「薬剤師養成の充実」が明記されたことなどを背景に、「決してあきらめていない」と強調。同大学が“タイムリミット”と見る今月末から6月まで、「限られた時間だが、長野県で薬学を学びたいという多くの高校生のためにも、長野県や上田市と協力しながら、設置のための方策を探っていきたい」と語った。
同大学では、薬学部設置に伴う建設費を最大約80億円と見積もり、大学側は上田市と長野県にそれぞれ25億円の支援を要請。2.6億円をかけて作成した北陸新幹線上田駅前に建設する地上5階建てのキャンパスの「実施設計書」の提出もすでに終えている。