アステラス製薬は、主力の抗癌剤「エンザルタミド」について、米ファイザーと共同開発中のトリプルネガティブ乳癌患者を対象にした第III相試験「ENDEAR」の中止を発表した。さらに、エストロゲン(ER)受容体/プロゲステロン(PR)受容体陽性乳癌、HER2陽性乳癌を対象とした開発についても、それぞれの第II相試験での結果を踏まえ、第III相試験に進まないことを決定した。
エンザルタミドの2016年度売上は2521億円とアステラスのトップ製品として業績を牽引してきた。今後の価値最大化に向けては、前立腺癌に加え、乳癌での適応拡大を実現できるかが焦点だったが、今回の開発中止決定は今後の成長に大きな影響を与える可能性がある。