厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」は9月30日、ノバルティスファーマの降圧剤「ディオバン」臨床研究をめぐるデータ改ざん問題への対応を中間的にまとめた。日本の臨床研究の信頼回復に向け、法制化を含めた検討を来年秋をメドに進めるべきとの再発防止策を打ち出したが、誰が何のためにデータを操作したかという核心の事実関係は明らかにならなかった。
中間取りまとめの報告書では、ディオバン臨床研究の支援をめぐって、ノバルティス元社員の関与にとどまらず、経費負担や多額の奨学寄付金の決裁状況などから、経営陣を含めたノ社ぐるみで関与していたと断定。新たにヒアリングした結果でも、元社員が「臨床研究支援は会社からの指示」と証言し、「元社員は関与を否定している」としたノ社の調査結果と食い違いを見せた。