厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会は15日、製薬企業のMRによる不適切なプロモーション活動が医療現場で相次いでいることを踏まえ、医療用医薬品の販売に関する情報提供の適正化について議論した。厚生労働省の監視モニター活動の結果、不適切な広告などの情報提供が行われた事例であるにもかかわらず、現行の広告規制では対応することが難しい事例もあった。この日の部会でも、委員から「MRが独自に資料を作らないことなどを盛り込んだ課長通知を緊急的に発出すべき」など対応を求める声が続出し、厚労省は「今年度分の事例を収集し、外国調査も行った上で、行政としてできることを考えたい」と規制強化に前向きな考えを示した。
製薬企業による医療用医薬品の情報提供をめぐっては、ディオバン事件やイグザレルト問題など、MRによる不適切なプロモーション活動が相次いでいる。これを踏まえ、厚労省は情報提供活動の適正化を促すため、昨年度から一部の医療機関を対象に監視モニター活動を実施。その結果、昨年度は医薬品39品目で適切性に関する疑義報告が行われ、違反が疑われる項目は64件に上ることが明らかになった。不適切な広告活動は薬機法の規制対象となるものの、MRが制作したプレゼンテーション資料、口頭説明などにより医療者の誤認を誘発させる見せ方については、対応できない現状となっている。