第一三共は、アルフレッサファーマに対し、同社と子会社「第一三共エスファ」が保有する長期収載品41製品92品目について、国内の製造販売承認を譲渡する。譲渡額は84億2000万円。第一三共は、長期収載品の販売にかかる人的・物的資源を癌領域の新薬に集中させ、第一三共エスファはオーソライズドジェネリック(AG)を中心とした事業展開を進める。41製品合計の昨年度売上高は91億6000万円で、さらに今後も長期収載品の切り離しについて検討していく方針だ。武田薬品やアステラス製薬など、新薬メーカー大手を筆頭に、長期収載品の切り離しによる注力分野への経営資源の集中という流れが進んでいるが、4月の薬価制度の抜本的改革を受け、国内売上トップの第一三共も決断を下した。
第一三共は、2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」の実現に向け、癌領域への選択と集中を加速させている。長期収載品の事業最適化を検討した結果、事業の一部をアルフレッサファーマに譲渡することが、安定供給の責任を継続的に果たせると判断した。第一三共にとって、長期収載品の他社への大規模な事業譲渡は、今回が初事例となる。国内では、他社が事業の選択と集中を積極化させる中、再生医療、新薬、長期収載品、ジェネリック医薬品、AG、ワクチン、OTC医薬品と多角的な事業を展開し、国内売上トップ企業の地位を確保してきた同社だが、長期収載品事業を縮小していく方向に舵を切った。