21年度メドに一つ以上目標
医薬基盤・健康・栄養研究所、理化学研究所、科学技術振興機構(JST)は9日、肺癌と特発性肺線維症(IPF)の新規創薬ターゲットを発見する人工知能(AI)の研究開発を行う連携研究プロジェクトを、今夏から開始したと発表した。臨床情報や文献などを蓄積させたデータベースを利用し、昨年度から基盤研が取り組んできた内容を複数の組織で加速・拡大させるのが狙いだ。2021年度末をメドに一つ以上のターゲットを発見し、製薬企業に提供したい考えである。
プロジェクトは、肺癌と原因が特定できない特発性間質性肺炎の一つであるIPFの新規創薬ターゲットを発見して製薬企業に提供することを目的としている。肺癌は罹患率が高く、大規模な医療データベースが蓄積されている。IPFは根本的な治療法がなく、探索余地が大きいことから対象に選んだ。肺癌とIPFの創薬ターゲットを製薬企業に提供することで、研究開発投資の拡大と医療の質向上を目指す。