癌に罹患して医療を受けており、仕事や家事ができないことによる労働損失が最大で1兆8000億円に上るとの推計が、聖路加国際病院乳腺外科の山内英子氏らの試算で明らかになった。10日に開かれた厚生労働省の「がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会」で報告された。
山内氏らは、2011年度の厚労省の患者調査、賃金構造基本統計調査、総務省の労働力調査のデータを用い、癌の罹患による労働損失の推計を行ったところ、受療による労働損失は全体で4500億円、仮に全員が仕事や家事をやめてしまった場合の受診日以外の労働損失は、全体で1兆3800億円と推計され、最大で1兆8000億円の労働損失となることが考えられた。