新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とLSIメディエンスは、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を用いて、日本で初めて医薬品の副作用を高精度に予測する評価システムを開発した。従来は動物由来の細胞や実験動物を使って、不整脈や心不全などの心毒性リスクを評価していたが、実施コストや動物とヒトで測定結果が異なる外挿性が課題として挙げられていた。来年には、日本から日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)に同評価法のガイドライン化に向けた提案が行われる予定で、順調に進めば、動物試験を代替する試験法として普及が進む可能性がある。
「iPS心毒性プロジェクト」を、NEDOのプロジェクトとして2009年に開始し、慶應義塾大学医学部がiPS心筋細胞の技術開発、東京医科歯科大学生体材料工学研究所、LSIメディエンスがiPS心筋細胞を用いた評価系の構築を行った。