田辺三菱製薬と英アストラゼネカは20日、糖尿病性腎症に関する共同研究契約を締結したと発表した。創薬ターゲットの選択から新薬候補となる低分子化合物の創製までが対象で、期間は3年。糖尿病・腎を重点領域とする両社が強みとなる専門性や研究資産を有効活用してパイプラインを拡充し、初期段階の研究を迅速に進めるのが狙いだ。
糖尿病性腎症は慢性腎臓病の代表的な疾患で、糖尿病を20年以上罹患している患者の約半数が発症し、腎機能が低下して末期の腎不全になると、大幅に心不全の発症率や死亡率が高まる。糖尿病の合併症の中でもアンメットメディカルニーズが高く、現在は透析や腎移植に治療の選択肢が限られ、満足度の高い薬剤が存在しなかった。