単品単価取引は拡大傾向
厚生労働省は6月27日、昨年度の医療用医薬品の納入価格妥結状況を調査した結果を、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」に報告した。3月取引分の妥結率は過去最低の81・5%で、特に20店舗以上のチェーン薬局が49・1%と突出して低かった。単品単価取引の割合は200床以上の医療機関、チェーン薬局で約6割に拡大したが、価格交渉が難航した結果、妥結率が低下したと考えられた。原徳壽医政局長は「チェーン薬局で妥結率が5割を切るのは憂慮すべき事態」と懸念を表明。「薬価基準制度を維持していくためにも、しっかり商取引を行ってもらいたい」と注文をつけた。
調査は、日本医薬品卸業連合会に加盟する52社を対象に実施し、今年3月の取引高における妥結状況(薬価ベース)を調べた。妥結状況を見ると、病院は84・5%、診療所は97・1%、医療機関全体では89・2%だった一方、保険薬局は20店舗以上のチェーン薬局で49・1%と非常に低く、その他の薬局は84・4%、全体も75・2%にとどまった。