三菱樹脂は、漢方薬原料の約7割を占め、ほぼ海外からの輸入に依存している薬用植物「甘草」の国内量産技術を確立したと発表した。実証栽培では、有効成分のグリチルリチン酸含量で日本薬局方基準が定める2.5%以上を満たし、医薬品原材料として使用可能な国内での甘草の量産化に一定のメドをつけた。今回得られた成果をもとに、国や地方自治体に定植地拡大に向けた積極的な働きかけを行い、国内で甘草の量産化に向けたビジネスモデル構築を目指す。
漢方薬の約7割で使われる甘草は、中国からの完全輸入に依存しているのが現状。ほぼ大半が野生品であるが、乱獲による砂漠化が進み、中国が採取制限や輸出規制をかけている。世界的に需要が高まっており、価格が年々高騰しているなど、国内での安定確保が大きな課題となっている。