被験者募集事業を手がける「クロエ」は、日本が参加するグローバル治験に関して、短期での被験者集積を支援する「施設干渉型症例集積コンサルタント」(patient recruitment consultant:PRC)サービスの受託を開始した。臨床試験の開発難易度が上がる中、グローバル試験を受託する海外の被験者募集会社との連携を通じて、日本で実施予定の臨床試験に関する情報をいち早く収集し、国内での被験者組み入れをできるだけ短い期間で精度良く実施するための手法を提案する。現段階でPRCに関して製薬企業から4件の試験を受託しており、治験の入口段階からグローバル試験に適応できるようサポートしていく構えだ。
新薬の世界同時開発が増加し、国内で実施される治験の大半がグローバル治験となっている。治験実施計画(プロトコル)の複雑性が高まる中、プロトコルに合致した被験者を短期間で集めるのが難しくなっており、治験の失敗やスケジュールの遅れにつながっている。特に海外と日本では治験環境に乖離があり、グローバル開発の中でどう国内の症例集積を進めていくかが課題。被験者募集手法も被験者募集会社への外部委託など多様なアプローチを取る海外に比べ、日本では各医療機関で受療した患者に治験を勧めるアプローチに依存している傾向にあり、その工程に長期を要していた。