武田薬品のグローバル・インフォーメーション・テクノロジー部門アジアCIOの沼田智氏は、22日に都内で開催された「ヘルスケアIT 2016」でITを活用した武田の事業戦略について講演し、「各事業会社や地域、研究開発、製造など各部門・機能でバラツキがあったITのシステム統合を行っている」と述べ、社内システムの統合化・標準化をグローバル規模で進めていると報告した。今後5~10年に向けては、ITを駆使したデジタルサービスの開発が重要課題として、患者に対して医薬品のみを提供するモデルから脱却し、新たな発想に基づく高付加価値型サービスの提供を目指す。まずは「営業・マーケティング分野から展開していく」との方向性を明らかにした。
同社は、2008年に米ミレニアム、11年にスイスのナイコメッドを買収し、グローバル化を急速に進め、ITを用いた社内運営の変革にも取り組んでいる。グローバルで統一されたITガバナンスのもと、最適なリソース配分で各事業部門の目標を達成していく“全体最適”を実現する。