特殊環状ペプチドの創薬ベンチャー「ペプチドリーム」の窪田規一社長は、本紙のインタビューに応じ、共同開発先の米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が特殊環状ペプチドの臨床試験を世界で初めて実施したことについて、「エポックメイキングなこと。来るべき時が来た」と述べ、20年度までに医薬品として実用化させる目標に向けて大きな一歩を踏み出したとの認識を示した。国内外の製薬17社から創薬スクリーニングを受託するなど技術基盤はほぼ整い、今後目指していくのが、ペプチド医薬の製造受託を請け負うCMOへの到達だ。「オールジャパンでペプチドの製造技術を高め、世界に売り出していきたい」と、ものづくりに強い国内企業と手を組み、製造分野で世界をリードする存在を目指していく。
同社は、東京大学の菅裕明教授が開発した「フレキシザイム技術」をもとに一つの試験管から数千億~兆単位に及ぶ特殊ペプチドライブラリーを構築しており、標的分子に応じて迅速にスクリーニングする技術を保有する。抗体医薬や低分子医薬品では攻略できない難易度の高い創薬標的へのアプローチとして、17社からスクリーニングを受託し、そこから創出されたリードペプチドについて、BMSが初めて臨床入りした。2011年半ばから各社との共同研究がスタートしたが、わずか5年程度で臨床ステージに登った。