キャリア・ポジション社長
西鶴 智香
皆さん、こんにちは。今回はキャリアやキャリアデザインを考える際に理解したいことについてお話ししますね。
まずはキャリアについて。皆さんはキャリアという言葉を一度は耳にしたことがあると思いますが、それではキャリアとは一体、何を指すのでしょうか。仕事のことだけを指すのでしょうか。いえいえ、そうではありません。私たちキャリアコンサルタントは、キャリアとは「職業人生だけではなく、家族、趣味、学習等を含む人生すべてのこと」と定義しています。
「薬剤師として成功することがキャリアアップだ。それがすなわち人生の成功だ」と考えて、それを目指すことが正しいキャリアデザインと思う方もいるかもしれません。でも、キャリアにはアップもダウンもないんです。正しいキャリアデザインもありません。キャリアとは人生そのもののことなので、成功も失敗もありません。大事なことは「自分は何をすると幸せを感じるのか」を認識することです。お金なのか、仕事でポジションを得ることなのか、結婚なのか……。「幸せ観」は人それぞれだし、それでいいわけです。
皆さんがキャリアデザインする際に気をつけてほしいのは、自分の立てたキャリアデザインが自分以外の価値観に縛られていないか、ということ。例えば「急性期病院で継続勤務し、いつか役職に就いて年収アップ」というキャリアデザインは、本当に自分が望んでいるものなのでしょうか。「なるべく30歳までに結婚して子供を持つ」ということも、実は親や周囲の価値観、一般論に惑わされていませんか。キャリアを考える時には、自分のものの考え方や価値の捉え方に偏りはないか、自分が本当は何を求めているのかを整理してみるといいでしょう。
とはいえ、毎日考えて思い悩む必要は全くありません。就職や結婚という大きな人生の節目の時に、じっくりと自分について考えてみてください。皆さんには未来があります。自分で自由に、どんな風にでもキャリアをデザインできるのが学生の特権なのです。