薬剤費に差なし、枚数は減
2016年度診療報酬改定で導入された湿布薬の1処方当たり70枚制限について、外来患者に対する処方の影響を検証した結果、薬剤費総額に大きな差はみられず、医療費削減効果はほとんどなかったことが、信州大学病院薬剤部の調査で明らかになった。同院では改定後に71枚以上の処方箋割合は減少した一方、処方上限の70枚が処方されている処方箋が増加。不要な湿布薬への意識が高まる効果は見られたものの、薬価が低いこともあり、院内の外来で処方された湿布薬の薬剤費総額への影響は数万円程度と少なかった。
16年度改定では、医薬品の適正給付を目的に湿布薬の取り扱いが見直された。入院中以外の患者に1処方当たり70枚を超えて投薬した場合、調剤料、処方料、処方箋料、70枚を超えた分の薬剤料等が算定できず、70枚以上を処方する場合は、医師が理由を処方箋とレセプトに書くことになった。そこで、同院薬剤部は、16年度改定が外来患者における湿布薬処方にどのような影響を与えたか検証を行った。