田辺三菱製薬取締役常務執行役員育薬本部長の村上誠一氏は2月23日、大阪市内で開いた記者懇談会で同社が注力するワクチン事業の将来像を示し、2030年頃には「1000億円以上の売上高を達成したい」と語った。目標達成のカギを握るのは、海外で第III相臨床試験段階にあるインフルエンザワクチンの成否だ。今春に試験を終え、今年夏ごろにはその結果がまとまる見通し。来年初頭に承認を申請し、20年に米国などで発売する青写真を描いている。
同社は、子会社のメディカゴが持つ植物由来ウイルス様粒子(VLP)製造技術を活用し、海外でワクチン開発を進めている。その先頭を走るのが、成人を対象とした季節性インフルエンザワクチンの第III相臨床試験。プラセボを対照群とし合計1万例を目指して昨年8月から開始。米国、カナダ、ドイツ、イギリス、フィンランド、タイ、フィリピンの7カ国で実施している。