小野薬品と米バイオベンチャー「フェイト・セラピューティクス」は、癌を対象としたiPS細胞由来他家細胞CAR-T細胞治療薬の創製を目的とする創薬提携契約を締結した。フェイトは、小野から研究資金の提供を受け、独自のiPS細胞製品プラットフォームを活用し、小野が選択した血液癌と固形癌の2つの創薬標的に対するiPS細胞由来他家CAR-T細胞治療薬の創製を目指す。
小野は、2016年にもベルギーを拠点に細胞療法を開発するセリアドから、健康成人の血液から採取したT細胞を用いた他家CAR-T細胞治療薬「NKR-2」の権利を導入しているが、今回の提携で創製を目指す候補品は、iPS細胞からT細胞に分化させ、CAR遺伝子を導入した製品であるため、大量生産が可能であるといったメリットがある。他家細胞CAR-T療法のパイプラインをさらに強化していきたい考えだ。