マヨネーズ大手のキユーピーは、同社初の医療機器である内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」について、後発医療機器として11月から販売を開始する。医薬・化粧品の原料として製造販売していたヒアルロン酸に関する知見を活用し、医療機器ビジネスに参入する形だ。海外展開の準備も進めている。2022年に売上高4億円の目標を掲げ、得意な素材を応用した2製品目を開発中で、3~4年後に投入する予定だ。ファインケミカル本部営業部部長の吉田一也氏は26日、都内で記者会見し、「先発医療機器も視野に経験を積んでいきたい」との展望を語った。
キユーピーは、マヨネーズの原料である卵と食酢の研究から派生し、ニワトリの鶏冠から抽出したヒアルロン酸の製造を85年に開始。さらに食酢製造での発酵技術を応用させ、ヒアルロン酸の製造法を開発した。現在は、関節用注射剤や点眼薬といった医薬品や化粧品などの原料として提供しており、ヒアルロン酸の国内販売量では首位(2017年、富士経済調査)の実績を持っている。