日本医学会は24日、ノバルティスファーマの社員が身分を偽ってデータ解析に関わっていた降圧剤「バルサルタン」の医師主導臨床研究で、論文を撤回する事態になった京都府立医科大学の事例について日本循環器学会から調査報告を受けた。利益相反委員会は、同大に第三者的な調査委員会を置き、データを再検証して説明責任を果たすよう求める見解を発表。今回の事態を受け、医学研究のCOIマネージメントガイドラインを改定し、疑惑を招かない仕組み作りを進める方針を打ち出した。
今回の事例は、日本循環器学会員から「KYOTO Heart study」のサブ解析の信頼性に疑義を示す指摘があったことが発端。その後、第三者機関による調査を行った結果、複数論文のデータ解析に問題があった可能性が指摘され、責任著者から論文取り下げ申請があり、22日にはノバルティスの社員が身分を偽って試験のデータ解析に関わっていたことを認めた。