日本薬剤師会の生出泉太郎副会長は10日、定例記者会見で、第99回薬剤師国家試験の平均合格率が約61%と過去数十年を見ても低い水準になったことについて、「一気に薬大(薬学部)が増えた弊害が、顕著に現れたのが、今回の結果ではないか。今後、大学は収れんされていかざるを得ないのではないかと思う。そうでなければ学生がかわいそうだ。新たなモデルコアカリキュラムができあがるが、充実した学生生活を送りつつ、基礎から臨床まで適切な知識が身につくよう、大学には教育に取り組んでもらいたい」とコメントした。
今回の国試は出題内容が難しかったとの声もあるが、執行部全体の見方としては「基礎から臨床まで満遍なく出題されていた。過去問中心の従来型の国試対策では対応できない。付け焼き刃では難しかったのではないか」とも指摘した。