アステラス製薬はハーバード・メディカルスクールと網膜色素変性症を対象とする共同研究契約を締結した。期間は最長3年。アステラスが費用を全額負担し、ハーバードのコンスタンス・L・セプコ博士が主導して病態メカニズムの解明と遺伝子治療を中心とする治療法を研究する。有望な標的遺伝子が同定されれば、アステラスが独占的に薬剤の研究・開発・商業化を行う。
網膜色素変性症は進行性の夜盲、視野狭窄、視力低下を主な症状とし、やがて色覚喪失や失明に至る。遺伝子変異に起因する網膜変性疾患だが、未だ発症機序は解明されておらず、現在のところ臨床的に明確な効果を示す治療法は確立されていない。国内では大日本住友製薬が理化学研究所と連携して再生医療による治療法を研究開発している。