4月に発足する新たな独立行政法人「日本医療研究開発機構」(AMED)の理事長に就任予定の末松誠氏(慶應義塾大学医学部長)は16日、大阪市内で講演し、各省庁から一元化した医療分野の研究費を弾力的に使っていく重要性を強調。「良い意味での混合使用や年度を超えて使えるようにするなど、現在の補助金の仕組みが抱える問題を、各省庁の協力を得て可能な限り解決していきたい」との考えを明らかにした。現場の創薬研究者等からの声を吸収し、研究費の使い方の抜本的な変革に理解を求めたい意向だ。
AMEDは、医薬品創出、再生医療、癌、難病等の7プロジェクトをまとめる戦略推進部を設置し、産学連携部等の5事業部との縦横連携により、医療研究開発の全体最適化を目指す組織体制が固まった。末松氏は、「一つひとつの研究で、生命・生活・人生の三つの“ライフ”の意味を追求していきたい」と基本方針を改めて強調。全ての研究で三つのライフを意識した研究管理を行っていく姿勢を訴えた。