卒業生が大幅減少、就職先1位「薬局」変わらず‐薬学教育協議会が13年度卒の進路調査

2015年3月1日 (日)

薬学生新聞

 昨春、全薬系大学73校(74学部)が初めて学生を輩出した6年制の第3期生の総数は、前年度より1000人近く少ない8535人となった。卒業後の進路は薬局が約37%、病院が約27%、一般販売業を含めると約70%が薬剤師免許を使う道を選んだ。また、進学が12年度の1.6%から2.9%に微増したが、非就職者、就職未定者が5.9%から8.7%と漸増傾向にある。薬学教育協議会がまとめた「14年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査の集計報告」で明らかになった(表参照

 同調査は6年制第3期生を輩出した全薬系大学73校74学部が回答した。卒業生総数は13年度に比べ956人減少。卒業生8535人のうち男性が3463人、女性5072人だった。就職したのは7516人(就職率:卒業生の88.1%)で昨年度に比べ4.1ポイント低下、9割を切った。就職していない人の総数は「進学」を除き、合計836人で8.7%を占め、漸増傾向にあり「1割」に迫る状況だ。

 就職先としては、「薬局」の3134人で最も多い、卒業生全体の36.7%で昨年度並であった。就職先として2番目に多いのは病院・診療所で、就職者総数は2328人(卒業生の27.3%)であったが、実数では昨年度の2666人に比べ338人減少した。

 就職先の病院を設置主体別に見ると、国公立大学病院・独立行政法人病院および自治体管轄の病院・診療所の薬局(国公立系病院薬局)へは779人(9.1%)が進んだが、実数では78人減少した。私立大学病院薬局・一般病院・一般診療所へは1549人(18.1%)で昨年度に比べ260人減少した。

 初任給については、最も就職者が多かった「薬局」は「26万~28万円」がピーク、高額側にシフトしている。国公立大学病院等を除く私大、一般病院等においても前年度に比べ、より高額側にシフト、初任給のピークが「22万~24万円」となった。また、相変わらず高額な状況が続くドラッグストアなど一般販売業では、男女ともに「30万円超」の比率が5割を大きく超えた。

 薬局に就職した男性1248人のうち、初任給の判明した1002人の初任給は「26万~28万円」が前年調査と同様最も多く25.3%、次いで「30万円超」が24.4%を占めた。

 前年度の分布と比べ「20万~22万円」~「24万~26万円」の比率が低下した分、「26万~28万円」~「30万円超」の比率が増加。「26万~28万円」以上の比率は、前年度の56%に対し、67%と全体の7割を占めるに至りつつあり、少なくとも初任給に関しては薬局勤務の給与水準の底上げが進んでいる。

 病院・診療所の薬剤部(科)の給与は、▽国立大学法人附属病院・独立行政法人病院(国立大・独法)▽公立大学法人附属病院・自治体病院・自治体診療所(公立大・自治体)▽私立大学附属病院・一般病院・一般診療所――の三つに分類している。

 国立大・独法で初任給が判明した294人の中で、「20万~22万円」は男性の73.4%(前年56.3%)、女性の71.8%(60.9%)だった。「公務員給与」もそれぞれ9.7%、14.1%であり、8割強が「20万~22万円」の範囲内にある。前年に比べ底上げが進んだものと推測される。

 私立大・一般は1116人から回答が得られた。男女ともに「22万~24万円」がピークでそれぞれ39.7%、43.5%と概ね全体の4割を占めた。「26万円超」もそれぞれ8%程度あり、国公立大等に比べ全体的に高額帯に分布している。



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