国立障害者リハビリテーションセンター、慶應義塾大学、信州大学、国立精神・神経医療研究センターは9日、統合失調症の患者が自分で服薬カレンダーを使い、セルフモニタリングできるシステムの検証実験を開始したと発表した。患者自らがセンサー付きの服薬カレンダーを使い、携帯電話やスマートフォンで服薬状況や体調変化を確認するシステムの開発は世界初。患者参加の取り組みにより、退院後の生活を支援する。
統合失調症の治療は、薬物療法と心理社会的ケアにより、初発患者の約半数が長期的な回復を期待できるとされ、服薬を継続することが重要な要素になっている。ただ、副作用などの服薬管理の難しさから、アドヒアランスが低下し、再入院のリスクが高まることが懸念されている。
同システムは、こうした問題を解決するため、訪問看護師が行っている統合失調症の服薬支援などについて、患者が一人で続けられるようサポートするもの。