厚生労働省は20日、新型インフルエンザが発生した場合に、全国民分のワクチン開発、生産体制を作る事業の評価委員会を開き、昨年3月末までの第二次事業の実施分で目標を達成できなかった北里第一三共ワクチンの進捗状況を検討した結果、事業の継続を認めることを決めた。引き続き、同社が目標とする4000万人分のワクチンを製造できる供給体制の整備に取り組むよう求めた。
この事業は、従来の鶏卵培養法では1年半から2年程度かかる全国民分の新型インフルエンザワクチンの製造期間を約半年に短縮するため、細胞培養法によるワクチンの生産・供給体制の構築を目的としたもの。今回、進捗状況を検討した北里第一三共ワクチンは、昨年3月末までの第二次事業の実施分において、事業目標の約4000万人分に対して、その半数の約2000万人分の製造体制しか整備できなかった。そのため評価委は、製造工程における問題究明や対応策の報告を条件に、同社の事業継続を認めてきた。