【富士フイルム】米再生医療ベンチャー買収‐約368億円、創薬支援事業に参入

2015年4月8日 (水)

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古森重隆氏

古森重隆氏

 富士フイルムは、iPS細胞の開発・製造大手の米セルラー・ダイナミックス・インターナショナル社(CDI)を買収すると発表した。買収額は3億0700万ドル(約368億円)。4月下旬に公開買い付けを完了する予定。子会社の「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)」などで再生医療事業に取り組んでいるが、CDIのiPS細胞を分化させて、ヒトの臓器や心筋細胞を作製し、開発候補物質の薬効や副作用を調べる創薬支援事業にも参入する。古森重隆会長兼CEOは、3月30日に記者会見し、「再生医療のトップランナーとして、競合を制していきたい」と語った。

 CDIは、世界で初めてヒトES細胞を樹立したジェームス・トムソン博士によって2004年に設立されたバイオベンチャー。14年度売上が1670万ドル、従業員は155人。創薬支援向けでは、ヒトiPS細胞由来で心筋や神経、肝臓など12種類の製品を供給するほか、ヒトiPS細胞の受託開発を手掛けている。そのほか、3000人のiPS細胞を樹立し、バンク化を受注し、患者以外の他家細胞でiPS細胞の量産化にも成功している。



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